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【AdGuard DNS 2.0】通信コントロールが新レベルに

AdGuard DNS 2.0をリリースいたしました。
これは、2016年から着々と開発を進めてきた製品、私たちにとって大きな瞬間です。
この間、多くのことが起こり、そして、皆様にお伝えしたいことがたくさんあります。
AdGuard DNSが中途半端な実験的プロジェクトから、15ヶ所以上に50台以上のサーバーを持つ本格的な製品になるまで、その道のりを追っていきましょう。

AdGuard DNSの歴史

信じがたいことですが、7月26日でAdGuard DNSは6歳になりました。
AdGuardの主要なプラットフォーム向けのバージョンがすでにリリースされており、AdGuardをインストールできないデバイスを広告やトラッカーから保護する方法を考えていた時に、次の段階としてDNSサービスを作ることを思いつきました。

AdGuard DNSは、あまり労力をかける予定のない、完全に実験的なプロジェクトとして生まれました。
AdGuard DNSの初バージョンは、AdGuard for Androidの既存の開発物を利用して、Javaで書かれました。
開発開始から発表とサービス開始するまでは、2~3週間程度しかかかりませんでした。

問題はすぐに現れました。
やはり、2週間で高品質なサービスができあがるるわけはありません。
一見、簡単そうに見える作業も、実際はもっともっと大変でした。
そして、ユーザー数が増えるにつれて、今までやったことをすべて捨ててやり直さなければならないことが明らかになったのです。

忘れもしないある夜、両親を訪ねて電車で故郷に向かう途中、あまりのユーザー数の多さにAdGuard DNSが負荷処理を停止してしまいました。
私は必死で状況を修復しようとしましたが、ひどい回線品質のためほとんど何もできませんでした。
これはおそらく、史上最長のAdGuard DNS停止時間でした。
しかし、このおかげで、最終的にサービスを完全に書き換えて、もっと真剣に取り組むという決断をすることができたのです。

AdGuard DNS 1.0

技術と実装アプローチを変更しました。
Goで書き直されたAdGuard DNSは、高負荷を処理し、世界中に地理的に分散したサーバーと連携する能力を獲得しました。
もちろん、既知の暗号化DNSプロトコルもすべてサポートしていました。
その結果が、AdGuard DNSの正式リリースとなりました(それ以前はずっと、技術的にはベータ版のサービスでした)。

この時期の作業の最も重要な「副産物」は、AdGuard DNSと同じ技術に基づいたネットワークレベルの広告ブロックおよびトラッキングDNSサーバであるAdGuard Homeでした。
AdGuard Homeのセットアップに関するあらゆる課題を克服した後、ユーザーはクライアントアプリケーションをインストールすることなく、ネットワークとすべてのデバイスを完全に制御でき、Webインターフェース経由でフィルタリングプロセスを管理することも可能です。

興味深い事実:2019年末に AdGuard DNSは1秒あたり約27,000件のリクエストを処理しており、そのうちの3分の1だけが暗号化プロトコル(DoH、DoT)から来るものでした。

2019年の統計

2022年時点では、状況は劇的に変化しました。
現在、AdGuard DNSは1秒間に約100万件のリクエストを処理し、そのうちの90%以上が暗号化されています。
これは2年半で37倍の負荷増加です(実際には、暗号化されたプロトコルは通常のDNSよりはるかに「重い」ため、この数字はさらに高いです)。

一方では、これは素晴らしいことです。
AdGuard DNSは、世界で最も人気のあるパブリックDNSリゾルバの1つとなっています。
しかし一方で、このような大規模なサービスは、もはや今までの「実験的」モードでは機能しません。

そこで、私たちはもちろん、AdGuard DNSを完全に作り直すことにしたのです!

AdGuard DNS 2.0 のご紹介

旧バージョンのAdGuard DNSには何が欠けていたのでしょうか?
それは、インストールしてすぐに使えるサービス、言い換えれば、ブロッキングを管理することができなかったのです。
人によってはそれでも十分だったのでしょう。しかし、AdGuard Homeのユーザーを見ていると、多くの人がリクエストをコントロールし、自分のデバイスで何がどのようにブロックされるかを自分で確認して決めたいと考えていることがわかりました。

AdGuard DNS 2.0のリリースにより、自分に合わせて管理が可能になり、プライベートAdGuard DNSで利用できるようになりました。
設定のシンプルさと多くの便利な機能を兼ね備えており、デバイスから来るすべてのリクエストを確認、制御し、ニーズに応じてブロッキングをカスタマイズして、サービスを楽しむことができます。

ドメインブロックの管理

必要なブロックリストを有効にし、不要なものを無効にする、クエリログでサイトをブロックする、ユーザールールに独自のDNSフィルタリングルールを追加する(1つずつまたはリストとして)など、AdGuard DNS 2.0 を設定して必要なものだけをブロックすることが可能です。

ブロックリストの選択

クエリログ

どのデバイスが、何時、どの国に、どの会社のサーバーにリクエストを送信したかなど、すべて詳しく確認することができます。
さらに、クエリログでは、AdGuard DNSがリクエストをどのように処理したか(ブロック、修正、処理)を確認することみできます。

クエリログ

また、クエリログでは、各リクエストの詳細情報を確認したり、ドメインをブロックしたり、ブロックを無効にしたり、独自のルールを作成することができます。

情報のリクエスト

詳しい統計

リクエストの総数や地域、ブロックされたリクエストの数、リクエスト先の企業一覧など、これらはすべてサマリーテーブルもしくはそれぞれの詳細統計タブで見ることができます。

統計情報

ペアレンタルコントロール

お子様を不適切なオンラインコンテンツから保護するために、ペアレンタルコントロールのオプションを設定し、有効にすることができます。
アダルト系サイトのブロックやセーフサーチ適用などの機能に加え、ブロックするドメインを手動で指定する機能や、ペアレンタルコントロールが有効になるスケジュールを設定する機能を追加しました。

ペアレンタルコントロール

ダークテーマ

夜などで見やすくなるよう、ダークテーマは重要な機能であると考えています。
そのため、AdGuard DNS 2.0だけでなく、AdGuardの他製品のほとんどにも含まれています。

ダークテーマ

AdGuard DNSサービスの詳細や機能については、AdGuard DNSのマスコットであるDayaneと短いオンラインツアーに参加してみてください。

これからの計画

実装する予定のものもまだまだたくさんあります。

  1. AdGuard VPNとのより良い統合。すでにAndroid、Windows、MacでAdGuard VPNと一緒にAdGuard DNSを使用することができますが、まもなくiOSもこのリストに追加される予定です。
  2. AdGuard Homeとの統合も将来的に予定されています。
  3. 私たちは、DNSだけにとどまりたくはありません。最終的な目標は、従来のコンテンツブロッカーを廃止することです(そう、これはAdGuardも廃止になることを意味します)。もちろん、これは長い道のりですが、この目標を達成するには、DNS以上のものが必要です。

料金プラン

ご安心ください。
パブリックAdGuard DNSはそのまま無料でご利用いただけます。

ただし、プライベートAdGuard DNSのメリットを利用したい場合は、4つのサブスクリプションのうち1つを選択する必要があります。

  • スターター
    サービスに慣れていただくための無料プランです。専用サポートなしで、リクエスト数30万件/月、端末数5台、サーバー数2台という制限があります。

  • パーソナル
    あなたとご家族を守るためのサブスクリプションです。1000万件/月のリクエスト、20台のデバイスとサーバー5台、そしてテクニカルサポート(日本語対応)が含まれています。また、AdGuard VPNのサブスクリプションをお持ちの場合、AdGuard DNSのパーソナルサブスクリプションを無料でご利用になれます。

  • チーム
    中小企業のオーナーにお勧めできるサブスクリプションです。1億件/月のリクエスト、200台のデバイス、50台のサーバーとサポート(日本語対応)が含まれます。

  • エンタープライズ
    大企業向けのサブスクリプションです。リクエスト数、デバイス数、サーバー数が無制限で、優先サポート(日本語対応)が含まれます。

サブスクリプション

上記の各プランで、月額版または年額版のいずれかを選択できます。

プランを選択する

結論

新製品のリリースは、いつも第一に、感謝を伝える瞬間です。
AdGuard DNS 2.0は、AdGuard開発チームの努力だけでなく、ベータテスターの皆様のおかげで実現できました。
アルファ版とベータ版の段階で私たちのサービスを利用し、バグを発見して報告してくれた皆さんに大変感謝しております。
皆様のおかげで、このような結果を出すことができました。

お約束通り、AdGuard DNS 2.0のリリースについてメーリングリストに登録した方の中から抽選でプレゼントが当たります。抽選賞品はルーター5台パーソナル1年サブスクリプション10本です。
さらに、登録者全員への賞品がかかっています。すべての情報はすでにメールに記載されています。

また、8月22日までにAdGuard DNSウェブサイトで登録された方全員に、10月31日まで有効なスタータープラス(Starter Plus)限定プランを自動的に無料で提供します。


※本記事はAdGuardのCTO兼共同設立者Andrey Meshkov作の英語記事の翻訳でございます。

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